一帯一路と香港
一帯一路国際サミットです
中国が主導権を握る巨大経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議が開かれました。北朝鮮と韓国の参加や、日本の自民党二階氏の参加など、注目する点は様々ですが、ここでは香港に注目したいと思います。
地図をよく見ると・・・
この地図をよく見ると、海のルートは福州から始まり、泉州、広州、海口を通ります。その広州には香港があります。さらに地図を拡大してみましょう。
おそらくですが、「広州」といいますがそれは香港を意味していると考えたほうが良さそうです。
このタイミングで香港の行政長官の梁振英が北京に赴き、そこで香港が一帯一路に参加することをアピールしてきました。
香港の課題
香港と中国というと「雨傘革命」などで昨今は緊張関係にありますが、香港経済を思うとやはり中国からは離れられません。
経済動向 | 香港 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
また香港もすでに少子高齢化の問題が深刻で、移民を入れて労働力を賄っている現状があります。その移民も中国本土や東南アジアや南アジアなど様々です。
「変わりゆく香港」 西南学院大学経済学部経済学科准教授 伊佐勝秀
つまり、昨今の中国・香港関係にこの一帯一路と香港域内の事情を突き合わせるとこういうことが見えてきます。
中国側 経済振興、産業構造の転換、一帯一路(香港は海のルートの一部)の推進
香港側 経済振興、少子高齢化による労働力不足の解消
このため、中国としては、香港が独自性を持ち一帯一路から離脱してもらっては困り、香港の商業界や経済界としても、一帯一路の中で地位を築き、中国や東南アジアからの人的資源の流入や香港の金融や貿易の振興という利害の一致が見られます。
ほかにも香港からは一帯一路に対して以下のような報道が出ています。
『ゴールデンカムイ』を読んで”ウイグル”を想う。
漫画『ゴールデンカムイ』面白いですよね
この漫画は、北海道を舞台に様々な都市伝説や歴史ロマン、アイヌ固有の文化の描写を織り交ぜながら描く冒険活劇です。そして、アイヌ文化の写実性や漫画そのものの面白さが評価され、様々な賞を受賞している漫画です。詳しいあらすじなどはウィキペディア参考にしてみて下さい。
既存のメディア作品などではアイヌ民族の「差別され・弱弱しい」側面が一方的に強調されてきましたが、この作品ではアイヌ民族の強い側面や美しい側面が描かれています。だからと言って、『ゴールデンカムイ』劇中でアイヌ民族が差別されていた事実を無視しているわけでもありません。様々な学術資料や作者本人の取材力や咀嚼力も相まって、アイヌ文化や明治の北海道やマタギ文化を理解する手助けにもなる本当に良い漫画です。
北海道の先住民族、もしくは日本の少数民族として認識されているアイヌですが、実を言うと、”アイヌ民族”は極東ロシアと日本にかけて存在している越境民族です。また、どうやら中華王朝と武力衝突した歴史もあるようです。以下の書籍や資料を参照にしてみて下さい。
「アイヌ民族と北方の交易」 中村和之
こうした書籍や資料を見て、僕は”アイヌ”と”ウイグル”は色々な意味で似ているなと思ってしまいます。”ウイグル”も中国とロシアに跨ぐ越境民族で、中国にとっての辺境民族です。また、近代以降の民族問題を見てもどことなく共通する所があると感じます。
例えば、以下のような事例があります。
ウイグルにとって「ナイフ」というのは伝統的な工芸品でありアイデンティティでもありますが、昨今の情勢悪化で業者に実名登録を課したり、当局から規制の対象になっています。
実をいうとアイヌでも似たようなことがありました。生活や信仰に密着する狩猟道具やサケの自由採取を禁止された歴史がありました。
領域国民国家の呪い
現代は領域国民国家を基本単位に運営されています。それゆえ、アイヌやウイグルのような辺境越境少数民族の問題は大なり小なり存在しています(いました)。たとえばロヒンギャ・クルドetc。仮に、ウイグル族が現行の新疆自治区を中国から切り離し、独立を果たしたとしても、現在の新疆自治区内のカザフやキルギス、回民族などが少数民族問題になります。
もしかしたら、この越境少数民族の問題は領域国民国家を運営している以上、必ずついて回る問題で、まさに「呪い」なのかもしれません。
昨今のウイグルをめぐる報道
今、安倍普三が首相である事は悪くも良くも。
朝鮮半島の緊張・中東の動乱
朝鮮半島の緊張が高まっています。また世界を見渡せばシリアで米ロが対立し、トルコではエルドアンが強権を発動し、中東も混乱しています。
こうした混沌した世界情勢の時に限って、アメリカは滅茶苦茶な大統領令を発動するトランプがリーダーで、中国は文革発動中の習近平、韓国は大統領が逮捕され、不確定要素のオンパレードです。無論、現在の情勢を様々な角度から分析することも大事ですが、闇雲に突っ込むと陰謀論に走ったり、フェイクニュースに引っかかるリスクも高まると思います。こうした時は既に起きた類似のケースや歴史を着実に踏襲した方が、情勢分析には有効だと思います。
では、ます、今起きている事を整理しましょう。
2017年
- 4月4日 シリア アサド政権 生物兵器使用
- 4月6日~7日 米中首脳会談
- 4月7日 アメリカ シリアへミサイルで報復攻撃
- 4月8日 空母カールビンソン 北東アジアへ出発
- 4月11日~12日 アメリカ ティラーソン国務長官ロシア訪問
- 4月14日 中国・ロシア 王毅外相とラブロフ外相の電話会談
- 4月15日 北朝鮮 軍事パレード
ここ数日で情勢がかなり動いているのが分かると思います。シリア情勢も北朝鮮情勢も以前からずっと緊迫していましたが、ここ数日の動きを見ると、米中ロの大国を軸にしながら中東の動乱と朝鮮半島危機が連動しているような様子が見えると思います。実を言うと、中東動乱と朝鮮半島危機の重なりや連動は今に始まった話ではありません。約10年前の国際情勢も似たような構図を見つける事が出来ます。
- 2001年 9月11日 アメリカ同時多発テロ
アフガニスタン戦争
- 2001年 中露善隣友好協力条約締結
2002年 9月17日 小泉訪朝 日朝平壌宣言署名
3月19日 イラク戦争 開戦
8月27日 第一回 六者会合
どうでしょうか?昨今の米中ロの動きと約16年前の米中ロの動き、そして中東動乱と朝鮮半島危機の位置づけが非常に似ている事が分かると思います。特に2002年末から2003年にかけての動きは注目だと思います。経済的なことを加えますと、中国のWTO加盟なども大きなニュースでしょうか。
16年前の世界の激変に立ち会っていた唯一の人物???
2000年代に入ってから世界は大きく様変わりしました。そして、現在も刻一刻と変わり続けています。全く状況が読めません。しかし、こうした世界情勢の中で、約16年前から今に至るまで、現役で政治の世界に携わっている人物たちがいます。中国は武大偉と王毅が当時外務次官として、北朝鮮の金桂冠も当時は北朝鮮の外務次官でした。そして、日本は安倍普三が官房副長官です。
2001年の小泉政権発足時、かれは官房副長官でした。そして、日本人拉致被害者の帰国に携わります。当時の安倍官房副長官は、北朝鮮に強硬姿勢をとっていました。例えば、日本に帰国した拉致被害者について、当時の官房長官福田康夫は、北朝鮮との外交上の手続きにのっとり、被害者を北朝鮮に一時帰国させようとしましたが、安倍普三は「被害者の一時帰国は国家として責任を放棄している」として反対の姿勢を示しました。また、2003年5月22~23日の日米首脳会談の直前、訪米に向かう政府専用機では、小泉首相が「北朝鮮問題の平和的解決のためには、対話と圧力が必要だ」という考えを述べる事に対して、安倍普三と田中均が以下のような激論を交わしました。
田中「総理が圧力とおっしゃってしまえば、北朝鮮は暴発しかねない。彼らはすべてのメッセージを悪い方に受け取ります」
安倍「そんな根拠はないですよ。古今東西、国ぐるみで暴発した例などありますか。当然、圧力でいくべきです」
田中「たしかに、圧力装置を背景に持っていない対話と交渉なんて成り立たないと思います。実際、米国の圧力があってこそ、日朝平壌宣言も生まれたんですから。ただ、同時に、圧力をかけてますよと言って始める交渉も成り立たない」
ポイントは圧力をかける事は一致していますが、その圧力を表に出すか裏でやるかの違いです。小泉首相は安倍副官房長官の方針を支持します。
安倍政権に何を期待するのか
良くも悪くも、現在の安倍政権には16年前の小泉政権で、世界情勢の激変に立ち会っていた人物が多くいます。
安倍晋三は官房副長官。現在の外務大臣の岸田文雄は小泉政権では文部科学副大臣。現在、財務大臣の麻生太郎は、小泉政権で党の政務調査会長から総務大臣、外務大臣を務めました。
これらを思えば、現在の不確定要素満載の世界情勢において、日本のこの布陣は心強いモノがあります。しかし、現状は何もできていません。拉致被害者や特定失踪者、日本人妻といった北朝鮮をめぐる人道上の問題に対して手も足も出ていません。いったい何をしているのでしょうか。小泉政権から現在の安倍政権に至るまで、途中で民主党(現・民進党)への政権交代などがあり、16年前の外交資料や当時のスタッフのやり取りのフィード・バックが出来ていないのでしょうか。それともその他の要素、中国の台頭などで、現在は16年前の経験すら役に立たない事態なのでしょうか。
私はここにどうしても日本人や日本の保守に蔓延する「アメリカにさえ頼っていれば全てが上手くいく」という思考停止状態を感じてしまいます。
以下引用資料です
P65 P93
11年前の状況の参考資料として
北朝鮮に関連する過去記事です。
中国のノンポリ層にとっての「ウイグル」
今回の記事は、中国の少数民族問題の背景や衝突の原因については述べません。中国の少数民族の諸問題について解説している新書や学術書は沢山あるので、解説はそちらのプロの方々にお任せします。
ここでは、あくまで中国国内の一般人民がウイグル問題についてどう見ているか?をコンテンツ分析などを通して、肌感を理解できるように努めます。
中国ではどういうウイグルコンテンツが消費されているか
春節恒例の中国の紅白、「春晩」を見ていました。そこでこんなショートコントが放送されました。
5分12秒あたりから漢民族のオジサンが現れ、ウイグル族のオジサンとコントを繰り広げます。この漢民族のオジサンは鉄道建設員で、このコントは昨今進んでいる経済ベルト建設と民族団結のプロパガンダです。
ここで昨年の春晩も見てみましょう。
ここでは、ウイグル、チベット、モンゴル、壮族の民族音楽のパフォーマンスのあと、漢語で「我らは中華民族の一員で、この祖国に抱かれて生きている」という趣旨を歌います。
このVTRは新疆の美人ダンサーが夢を追って都会に出てくるという内容です。
中央民族大学や各研究機関が一応、それぞれの少数民族文化の保護(はく製化?)をしています。日本の巷で言われる「民族浄化」というのは少し違います。
ただ、昨今の新疆情勢や少数民族問題が意識されていないか?というと違っていて、一応その問題点に迫ろうともしています。
新疆人(ここでは新疆少数民族の意味)には部屋を貸してくれないと差別を語る様子
https://www.youtube.com/watch?v=LzVM0Trybh4
このVTRではフェニックステレビの少数民族問題に関するシンポジウムのシーンから始まり、北京に住んでいるウイグル族の方々にインタビューをしながら、比較的マシだった時期の情勢から昨今の険悪な情勢について、そのグラデーションを浮き上がらせています。
また少し前の出来事ですが、イリハム・トフティーさんが当局に拘束されたときは漢民族のインテリ層も声を上げました。
厳しい現実
ウイグルを始めとした少数民族問題に様々なグラデーションがあるのは間違いないですが、厳しい現実も間違いありません。
下のツイートは、ウイグル族成年が「春晩のパフォーマンスに対して、アレは漢民族による偏見で、ウイグル族だからって毎日、羊を食べて踊っているわけじゃない」という呟きを研究者の方が拾ったモノです。
Uyghur netizens take offense to stereotypical representations of their culture on display at this year's Spring Festival Gala pic.twitter.com/X0rK1SxRaC
— Timothy Grose (@GroseTimothy) 2017年1月28日
ラビア・カーディルに寄せられたヘイト書き込み。
「ラビアはウリを売っていたのに何であんな短期間で富豪になれたんだ?しかも、彼女は政府の一人っ子政策を非難しているが、自分は子供は沢山いるなんておかしいだろ?彼女は口から出まかせをいって新疆で騒乱を起こし、一般市民も巻き込んだテロを起こしただろ?」
「共産党が何やったかは知らないが、ラビアは新疆に住んでいる一般の漢民族を殺しまくった事件の首謀者だろ?文句があるなら中南海に行けばいいだろ?この畜生め」
低評価の圧倒的な数。
ウイグルしかりチベットしかり、中国の少数民族情勢は加速度的に悪化しています。様々な要素も重なりその解決は一筋縄ではいきません。変に地雷を踏むと、自分が当局に拘束されたりするだけでなく支援している少数民族の方々にも迷惑が掛かってしまいます。地味な作業ではありますがこの問題に対して興味関心ある人は、書を漁り現地に足を運び、言葉を身に着け、情勢の濃淡やグラデーションを読解するしかありません。
南京大虐殺は中国でどのように表現されているか?
アパホテルの件が大炎上中ですが
アパホテルで南京事件を否定している本が問題視され炎上騒ぎになっています。南京事件はたびたび日中の間で論争になり外交問題に発展します。本稿では、南京事件そのものや論争史よりも中国国内でどのようなコンテンツでどんな表現で南京事件が表現されているか?を具体的に探っていきたいと思います。
中国人はどのように「日本人が南京大虐殺を見ている」と思っているか?という分析
以下の文章は、中国の中でもリベラルに近い論調の雑誌『炎黄春秋』に3年前に掲載された文章です。
刘柠という方が書かれた文章で、日本国内の政治体制の歩み、冷戦時の右派左派の対立、日本経済と中国経済の逆転、などを織り込みながら南京事件論争史を振り返っています。この中では、日本国内の完全否定派・虐殺はあったが数字は誇張派なども紹介されています。
少し前になりますが、こんな本も日本で出されました。
この中では、人民教育出版社の「中国歴史」の中にある活動で「日本の中学生に南京大虐殺を忘れないで」というテーマで手紙を書くという事が紹介されています。そこには「日本右翼分子と軍国主義を人民と区別する」という注意書きがされています。
以下のVTRは南京に現在住んでいる日本人たちの声を紹介しています。
中国には完全な表現の自由はありませんが、日本人を一方的に悪く描く抗日プロパガンダしか流れていないわけではなく、日本社会の思想潮流の分析や現在に生きる一般日本人に焦点を当てるモノもあります。
南京事件を描く
残念ながら南京大虐殺は事実かつ当時の中国の首都なので、日本人がどう足掻いてもシンボリックな事件である事に変わりはありません。なので、様々な映画も作られています。
特に上の「南京!南京!」は加害者である日本軍人の葛藤や、日本人慰安婦の存在、中国軍の不意打ちも盛り込みながら南京戦に迫った事で、中国国内でも論争を呼びヒットしました。下の「ラーベの日記」はジョン・ラーベを主人公に南京戦を描きます。しかし、この映画は少々演出が強すぎると個人的に思います。
今回は主に2000年代のコンテンツを引っ張ってきましたが、これ以前にも様々な描かれ方があります。中国という環境を考えると、純粋にそれを中国人民の民意の表象と言い難いかもしれません。コンテンツの公開年月日やその当時の日中関係なども参考にしながら考えるべきかもしれません。
これから、中国と本格的に向き合っていく人が読むべき本とか 歴史・市民社会編
以前の記事で、今年からアジア・ユーラシア地域に関わっていく人のために様々なモノ推薦しましたが、本稿ではもっと絞って、中国や朝鮮半島情勢に関わっていく・関わっていきたい人が読むべき本や見るべき映画を挙げていきます。
対中感情の推移、過去の先輩たちから学ぶ。
これから、中国に関わっていく人はある事を肝に銘じる必要があります。それは、「日本人が一番嫌っている国に関わろうとする」という事です。そして、いつかどこかで中国の反日デモしかり日本の反中感情しかり政治的動乱に巻き込まれ、そこで挟み撃ちにされる経験をする可能性が高いという事はキモに銘じて下さい。なので、日本の対中感情の推移や、中国側の反日感情などのロジックは頭に入れる必要があります。これは余計なトラブルから身を守るためにもやってください。そこで以下の書籍が役に立つと思います。
和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人 (角川文庫)
- 作者: 安田峰俊
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
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これらの書籍には、日中関係や対中感情を論じようとした場合、第二次世界大戦の即物的な戦争行為にのみに焦点が集まる傾向がありますが、上にあげた書籍群は、日本人の中国に対する価値観をより長いスパンかつ、幅広い分野から切り込みながら分析しています。
また以下の書は日本のアジア主義者とアジア各国の革命闘士たちの繋がりを克明に浮き出してくれるモノで、中国専門というわけではありませんが、明治初期の日本と中国などの繋がりについて知るための本として目を通す価値はあります。
歴史は中国を理解するための最大の武器
やはりここでも歴史は大切な教養です。中国史に関しては三国志などサブカルチャーでも浸透しています。さらにそこに分厚い学術書などを組み合わせることで理解を促す事が出来ると思います。
神話から歴史へ(神話時代 夏王朝) (中国の歴史 全12巻)
- 作者: 宮本一夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/03/16
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以上のようなモノを使ってみて下さい。
日本人が「中国の世界観」や「中華文明」の理解しにくい点で、中国を理解するのに困るのは中国史は大きい遷都を何回も経験した事と異民族支配を受けた事にあります。なので、適度に「モンゴル中心史観」や「満州中心史観」のようなモノを摂取しながら、立体的に見る必要があります。以下のような本もあるので色々と漁ってみて下さい。
ここまで主に古代からの通史ですが、中国近現代史を理解するならやはり、毛沢東と鄧小平に関するモノは外せません。
この漫画は中国建国までの毛沢東を描きます。この漫画は1971年に発表されたのが元なので、まだ文革の実態なども把握できていないためかなり美化はされています。なので、日本の1970年代の中国観の読み解きのための資料としても使えると思います。
- 作者: ユンチアン,J・ハリデイ,土屋京子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/17
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こちらも重たくて分厚いモノ以外にも新書や漫画でも読めるモノがあるので、漁ってみて下さい。
中国と闘うモノたちの記録
改革開放以降、経済成長やオリンピックの開催などで市民社会や公民権の目覚めは中国でもあります。昨今の習近平体制では様々なNGOやNPOが圧力を受けていますが、それでも内外で闘う人たちが存在しています。
ウイグルの母 ラビア・カーディル自伝 中国に一番憎まれている女性
- 作者: ラビアカーディル,アレクサンドラカヴェーリウス,水谷尚子,熊河浩
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
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中国を追われたウイグル人―亡命者が語る政治弾圧 (文春新書)
- 作者: 水谷尚子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/10
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チベットわが祖国―ダライ・ラマ自叙伝 (中公文庫BIBLIO20世紀)
- 作者: ダライラマ,H.H.The Dalai Lama,木村肥佐生
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2001/11
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他にも中国が抱える問題はどれも重大で目が回りそうになりますが、環境や貧困、表現の自由などにも闘いを挑みにいっている人たちはいます。
中国メディアの現場は何を伝えようとしているか: 女性キャスターの苦悩と挑戦
- 作者: 柴静,鈴木将久,河村昌子,杉村安幾子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2014/04/26
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この方はPM2,5の問題を告発する動画を流し論争を呼びました
中国の市民社会については以下のようなモノもあります。
また、中村大樹さんという方が中心となって中国の独立映画(検閲をうけていない映画)を日本で流す試みもされています。
中国の市民社会や反体制人士について扱った資料も沢山あります。ここではその一部を紹介しました。
これから、アジア・ユーラシア地域に関わっていく人が最低限見るべき本とか映画とか。
これからアジア・ユーラシア地域に関わろうとするヒトへ
新年ですね。これから心機一転もかねて日本を離れ、アジア・ユーラシア地域に関わっていこう!と意気込んでいる方や、嫌だけど仕事上仕方なくアジア・ユーラシア地域に携わっていく方、そんな方々に、アジア・ユーラシアに関わっていくならこれくらいは最低限見て欲しい、お勧めの本や映画を本稿ではまとめて紹介したいと思います。
歴史・文化・宗教など
人文社会系の基礎知識を持ちましょう
基本的な人文社会系の知識は持ちましょう。その為に一番効率がよく浅く広い地域の知識を網羅できるのは教科書です。”ゆとり教育”や”歴史問題”など様々な問題が指摘されますが、日本の教科書と資料集はかなりクオリティーが高いです。古いモノは使わないでください(ソ連がまだあったり、そういうのは止めて下さい)。昨今は”学びブーム”もあって、以下のようなモノも出ています。高校の世界史Bや日本史Bの新しめの教科書を買って、端から端までしゃぶりつくすように読むだけでも違うと思います。
歴史やその国の概要を浅く広くつかみたい場合は以下の書籍シリーズもおススメです。
- 作者: ウィリアム・H.マクニール,William H. McNeill,増田義郎,佐々木昭夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
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特定の一国や一地域について詳しく知りたい方は、目的に応じて色々と漁ってみて下さい。
宗教に関するモノやマナー
昨今はイスラム市場を狙いに行く動きもあり、この手の宗教やスピリチャルな分野に対する理解を促すモノを多く出ています。仏教・イスラム・キリスト・ユダヤ。その他北東アジア圏のマナーの根底にある儒教や道教などの哲学思想などについても、基本的な知識や傾向などは頭に入れておくべきです。
これらの伝統的な宗教概念や哲学思想を理解するための書も沢山出ていますが、ここではあえて、それらの創始者たちの伝記や伝説を基にした映像作品をお勧めしたいと思います。イスラムは偶像崇拝の禁止から難しいですが、仏教や儒教などは漫画や映像作品にもありますし色々と見てみて下さい。
映像などを通すことで、その思想を作り上げた当事者たちの背景についてイメージしやすくなると思います。無論、映像作品ですので娯楽作品としての”演出”は入っています。そこは、書を使ってバイアスを修整してください。映像と書籍をバランス良く使う事で色々と分かりやすくなると思います。
現代社会やテクノロジーに関して
世界2位と3位の経済大国が並び、サムスンやホンハイといった世界にも類を見ないハイテク産業の集積地となった北東アジア地域や、世界経済の成長センターになった東南アジアや南アジア諸地域は、様々な分野の専門家がテストケースとして観測しています。なのでアジア・ユーラシア情勢の専門書でなくとも、アジア・ユーラシア地域に関する事象を拾っている書は様々なモノがあるのです。以下に挙げる書もそういったモノです。
未来化する社会 世界72億人のパラダイムシフトが始まった (ハーパーコリンズ・ノンフィクション)
- 作者: アレックロス,依田光江
- 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
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- 作者: エリック・シュミット,ジャレッド・コーエン,櫻井祐子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
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アジア諸地域も発展を続け、先進国と似たような問題を抱え始めています。少子高齢化や移動コストや産業集積による地域の変化を追っていきたい方は以下の書がおススメです。
老いてゆくアジア―繁栄の構図が変わるとき (中公新書 1914)
- 作者: 大泉啓一郎
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/09
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海洋アジアvs.大陸アジア:日本の国家戦略を考える (セミナー・知を究める)
- 作者: 白石隆
- 出版社/メーカー: ミネルヴァ書房
- 発売日: 2016/02/10
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しかし、アジア・ユーラシア諸地域の変化は本当に激しいので、もしかしたらここで紹介した書などが既に”古典”レベルの出来事になっているかもしれません。ですので、参考程度にしておいた方がいいかもしれません。そこは日々の新聞や雑誌をチェックする事でカヴァーする必要があると思います。
お勧めの雑誌は以下のようなモノがあります。
他にも「フォーリン・アフェアーズレポート」や「中央公論」「文藝春秋」などもチェックするといいと思います。無論、これらすべてにお金をかけるのも大変なので、書店での立ち読みや図書館。Webで公開されている無料記事などを織り交ぜて上手くやっていきましょう。
他にもこのようなモノがあります。アメリカのプレゼンテーションイベントの「TED」です。アジア・ユーラシア地域について様々なプレゼンがあるので参考にしてみて下さい。英語が苦手でも日本語字幕やスクリプトも無料で公開されていたりするので大丈夫です。
これから本格的にアジア・ユーラシア事情に足を踏み入れる方は是非参考にしてみて下さい。