一帯一路と香港
一帯一路国際サミットです
中国が主導権を握る巨大経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議が開かれました。北朝鮮と韓国の参加や、日本の自民党二階氏の参加など、注目する点は様々ですが、ここでは香港に注目したいと思います。
地図をよく見ると・・・
この地図をよく見ると、海のルートは福州から始まり、泉州、広州、海口を通ります。その広州には香港があります。さらに地図を拡大してみましょう。
おそらくですが、「広州」といいますがそれは香港を意味していると考えたほうが良さそうです。
このタイミングで香港の行政長官の梁振英が北京に赴き、そこで香港が一帯一路に参加することをアピールしてきました。
香港の課題
香港と中国というと「雨傘革命」などで昨今は緊張関係にありますが、香港経済を思うとやはり中国からは離れられません。
経済動向 | 香港 - アジア - 国・地域別に見る - ジェトロ
また香港もすでに少子高齢化の問題が深刻で、移民を入れて労働力を賄っている現状があります。その移民も中国本土や東南アジアや南アジアなど様々です。
「変わりゆく香港」 西南学院大学経済学部経済学科准教授 伊佐勝秀
つまり、昨今の中国・香港関係にこの一帯一路と香港域内の事情を突き合わせるとこういうことが見えてきます。
中国側 経済振興、産業構造の転換、一帯一路(香港は海のルートの一部)の推進
香港側 経済振興、少子高齢化による労働力不足の解消
このため、中国としては、香港が独自性を持ち一帯一路から離脱してもらっては困り、香港の商業界や経済界としても、一帯一路の中で地位を築き、中国や東南アジアからの人的資源の流入や香港の金融や貿易の振興という利害の一致が見られます。
ほかにも香港からは一帯一路に対して以下のような報道が出ています。