一帯一路とは”いったい”何なのか③ 内陸のソフトパワーを外へ!
蘭州ラーメンは一帯一路の賜物か?
日中関係の安定化や一帯一路への協力もあって、最近どうやら日本で蘭州ラーメンがブームなようです。これを受けて以下のような報道やニュース記事が見られるようになりました。
なぜ蘭州ラーメンと一帯一路が関係しているのか?それには一帯一路のもう一つの側面であるソフトパワーの海外輸出があるからです。
ソフトパワーとは? 中国の課題
ソフトパワーとは軍事力以外のその国の魅力の事だと思ってください。詳しくは以下を参考にしてみてください。
そのソフトパワーですが、中国はほとんど無いに等しいです。日本に暮らしている人なら分かりやすいと思います。
海外のソフトパワーに関するレポートで40~41ページ目を見てみてください。確かにソフトパワーの上昇は確認できますが、ギリシャやポーランドより下でロシアの一つ上という位置です。ちなみに2015年の段階では30位でした。70ページからは具体的な分析があります。ちなみに日本に関するレポートの部分もあるので見てみてください
https://softpower30.com/wp-content/uploads/2017/07/The-Soft-Power-30-Report-2017-Web-1.pdf
そこでソフトパワーの強化が中国の課題になるわけです。
一帯一路は中国のソフトパワー攻勢の始まり!?!?
一帯一路の関連書籍を読み解いていくと意外にも、観光客のマナーの悪さに釘を刺していたり、文化や学術交流に比重を置くようなメッセージを見て取れます。また、彼らもそこまでバカではありません。南シナ海の軍事拠点化や人権問題などで海外から警戒されているのは彼らとて一応は分かっています。経済構造の転換、一帯一路建設そのためにもソフトパワーの強化は中国の喫緊の課題と言って過言ではないのです。
内陸のソフトパワーを外へ!
過去のブログで一帯一路が内陸の西部大開発の延長線上に存在する事は言及しました。さて、そのシルクロードは高いソフトパワーを秘めています。新疆ウイグルのみならず様々な文化が行き来していた土地です。蘭州ラーメンもそのような土壌の中ではぐまれた文化です。おそらく、今後さまざまな文化が色々な形で外に出てくるでしょう。
この分野では日本は絶対に負ける訳にはいきません。今後とも注視し、利用できるところは利用していくしかないと思います。
香港博物館で企画されたシルクロード文物展開催によせられたメッセージ
他にも以下の資料やブログを参考にしました。
一帯一路構想とその中国経済への影響
www.ide.go.jp/Japanese/Publish/Download/PolicyBrief/Ajiken/086.html
雲南省のソフトパワー面での強化に関する動向は以下のブログを参考に。「一帯一路の」なんてモノが出てくる前の記事なので、これをこのまま受け取る事はやめた方がいいですが、彼らの持つビジョンを読み解くためには一見の価値ありです。雲南省もまた陸路で東南アジア方面に出る一帯一路の戦略的地域です。