結局中国のありゃりゃ?な部分が露呈した春晩ー中ア関係コントの表象分析
やらかしました
中国の紅白と称される春晩(春節聯迎晩会)で中ア関係のプロパガンダコントで、ブラックフェイスをやらかしてしまいました。
春晩(中国版紅白)で登場したブラックフェイスが問題に。反論する中国人の反応が、日本で「差別じゃない」「米国の価値観押し付けるな」と言っていた人達と同じでウケる。内容もひどいが(アフリカの人は中国大好き!みたいな)、考えてみたら、これも日本で「世界の人は日本大好き!」番組あるよなと。 https://t.co/EMWfZs1POR
— Hiroko Maeda (@hongzi99) 2018年2月16日
しかし、このコントブラックフェイス以外にも残念なポイントがあります。今回の記事では、なぜ中ア関係のコントが春晩で流れたのか?などなど背景にある事情を解説しながら残念ポイントを指摘したいと思います。
中国・アフリカ友好ではなく、
中国が作ったモンバサ、ケニヤ鉄道スゴイ
問題のコントは4分38秒あたりから
このコントの背景を理解するためには以下のニュースが頭に入っている必要があります。
現在、中国はインフラ輸出を盛んに行っています。こちらはその一環です。このコントでアフリカ女性がCAのような恰好をし、コントの背景に鉄道があるのはそういう事です。
そもそも専門家皆無のトホホな演出
このコント、冒頭にどういった団体がパフォーマンスをするのか表示されているのですが、この集団を見ると、中ア関係の専門家や文化人類学の集団が全くいないことが分かります。ほとんがただのダンスパフォーマンスグループです。極めつけは赤字で示した一番したの集団。
- 蒙内铁路乘务组
- Zaouly面具舞团
- 帕玛佳非洲歌舞团
- A&C非洲歌舞团
- 中国煤矿文工团艺术学校
この集団は、国家安全生産監督管理局直属の組織で、1947年に東北地方の石炭発掘区で生まれた組織です。たしかに、中国の中でも由緒ある芸術・武芸学校なのですが、なぜこのナイロビ・モンバザ鉄道コントに呼ばれたのか理解しがたいです。
結局は西側のソフトパワーに頼る
このコントの主な内容はとにかく、「中国スゴイ!」「中国の援助はアフリカを発展んさせた!」という内容なのです。しかし、このコントの冒頭や最後に流れたテーマソングWaka Waka (This Time for Africa)は、シャキーラというコロンビアの歌手が歌った歌で、2010年の南アフリカワールドカップの時のテーマソングです(おそらく、使用許可をとっているとは思いますが少しだけ心配です)。
※歌そのものはアフリカへのリスペクトとサッカーの疾走感が合わさった大変よい曲です
「中国スゴイ!」「中ア友好!」というプロパガンダの最初と最後に全く的外れなテーマソングを持ってくるあたり、あの国のソフトパワーの乏しさと詰めの甘さを感じます。