北東アジアを考えよう!

北東アジア(日中韓台朝)をメインに、ユーラシアを包括的に捉えよう。 

南京大虐殺は中国でどのように表現されているか?

アパホテルの件が大炎上中ですが

 

matome.naver.jp

 

アパホテル南京事件を否定している本が問題視され炎上騒ぎになっています。南京事件はたびたび日中の間で論争になり外交問題に発展します。本稿では、南京事件そのものや論争史よりも中国国内でどのようなコンテンツでどんな表現で南京事件が表現されているか?を具体的に探っていきたいと思います。

 

 

中国人はどのように「日本人が南京大虐殺を見ている」と思っているか?という分析

 

 

以下の文章は、中国の中でもリベラルに近い論調の雑誌『炎黄春秋』に3年前に掲載された文章です。

日本人怎么看待南京大屠杀_评论_腾讯网

 

 刘柠という方が書かれた文章で、日本国内の政治体制の歩み、冷戦時の右派左派の対立、日本経済と中国経済の逆転、などを織り込みながら南京事件論争史を振り返っています。この中では、日本国内の完全否定派・虐殺はあったが数字は誇張派なども紹介されています。

 少し前になりますが、こんな本も日本で出されました。

「中国・韓国の歴史教科書」に書かれた日本 (別冊宝島)

「中国・韓国の歴史教科書」に書かれた日本 (別冊宝島)

 

 

この中では、人民教育出版社の「中国歴史」の中にある活動で「日本の中学生に南京大虐殺を忘れないで」というテーマで手紙を書くという事が紹介されています。そこには「日本右翼分子と軍国主義を人民と区別する」という注意書きがされています。 

 

 

 

 

以下のVTRは南京に現在住んでいる日本人たちの声を紹介しています。

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中国には完全な表現の自由はありませんが、日本人を一方的に悪く描く抗日プロパガンダしか流れていないわけではなく、日本社会の思想潮流の分析や現在に生きる一般日本人に焦点を当てるモノもあります。

 

 

南京事件を描く

 

 残念ながら南京大虐殺は事実かつ当時の中国の首都なので、日本人がどう足掻いてもシンボリックな事件である事に変わりはありません。なので、様々な映画も作られています。

 

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 映画・「南京!南京!」

 

 

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 特に上の「南京!南京!」は加害者である日本軍人の葛藤や、日本人慰安婦の存在、中国軍の不意打ちも盛り込みながら南京戦に迫った事で、中国国内でも論争を呼びヒットしました。下の「ラーベの日記」はジョン・ラーベを主人公に南京戦を描きます。しかし、この映画は少々演出が強すぎると個人的に思います。

 

 

 

今回は主に2000年代のコンテンツを引っ張ってきましたが、これ以前にも様々な描かれ方があります。中国という環境を考えると、純粋にそれを中国人民の民意の表象と言い難いかもしれません。コンテンツの公開年月日やその当時の日中関係なども参考にしながら考えるべきかもしれません。