これから、中国と本格的に向き合っていく人が読むべき本とか 歴史・市民社会編
以前の記事で、今年からアジア・ユーラシア地域に関わっていく人のために様々なモノ推薦しましたが、本稿ではもっと絞って、中国や朝鮮半島情勢に関わっていく・関わっていきたい人が読むべき本や見るべき映画を挙げていきます。
対中感情の推移、過去の先輩たちから学ぶ。
これから、中国に関わっていく人はある事を肝に銘じる必要があります。それは、「日本人が一番嫌っている国に関わろうとする」という事です。そして、いつかどこかで中国の反日デモしかり日本の反中感情しかり政治的動乱に巻き込まれ、そこで挟み撃ちにされる経験をする可能性が高いという事はキモに銘じて下さい。なので、日本の対中感情の推移や、中国側の反日感情などのロジックは頭に入れる必要があります。これは余計なトラブルから身を守るためにもやってください。そこで以下の書籍が役に立つと思います。
和僑 農民、やくざ、風俗嬢。中国の夕闇に住む日本人 (角川文庫)
- 作者: 安田峰俊
- 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
- 発売日: 2016/04/23
- メディア: 文庫
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これらの書籍には、日中関係や対中感情を論じようとした場合、第二次世界大戦の即物的な戦争行為にのみに焦点が集まる傾向がありますが、上にあげた書籍群は、日本人の中国に対する価値観をより長いスパンかつ、幅広い分野から切り込みながら分析しています。
また以下の書は日本のアジア主義者とアジア各国の革命闘士たちの繋がりを克明に浮き出してくれるモノで、中国専門というわけではありませんが、明治初期の日本と中国などの繋がりについて知るための本として目を通す価値はあります。
歴史は中国を理解するための最大の武器
やはりここでも歴史は大切な教養です。中国史に関しては三国志などサブカルチャーでも浸透しています。さらにそこに分厚い学術書などを組み合わせることで理解を促す事が出来ると思います。
神話から歴史へ(神話時代 夏王朝) (中国の歴史 全12巻)
- 作者: 宮本一夫
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/03/16
- メディア: 単行本
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以上のようなモノを使ってみて下さい。
日本人が「中国の世界観」や「中華文明」の理解しにくい点で、中国を理解するのに困るのは中国史は大きい遷都を何回も経験した事と異民族支配を受けた事にあります。なので、適度に「モンゴル中心史観」や「満州中心史観」のようなモノを摂取しながら、立体的に見る必要があります。以下のような本もあるので色々と漁ってみて下さい。
ここまで主に古代からの通史ですが、中国近現代史を理解するならやはり、毛沢東と鄧小平に関するモノは外せません。
この漫画は中国建国までの毛沢東を描きます。この漫画は1971年に発表されたのが元なので、まだ文革の実態なども把握できていないためかなり美化はされています。なので、日本の1970年代の中国観の読み解きのための資料としても使えると思います。
- 作者: ユンチアン,J・ハリデイ,土屋京子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2005/11/17
- メディア: 単行本
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こちらも重たくて分厚いモノ以外にも新書や漫画でも読めるモノがあるので、漁ってみて下さい。
中国と闘うモノたちの記録
改革開放以降、経済成長やオリンピックの開催などで市民社会や公民権の目覚めは中国でもあります。昨今の習近平体制では様々なNGOやNPOが圧力を受けていますが、それでも内外で闘う人たちが存在しています。
ウイグルの母 ラビア・カーディル自伝 中国に一番憎まれている女性
- 作者: ラビアカーディル,アレクサンドラカヴェーリウス,水谷尚子,熊河浩
- 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: 単行本
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中国を追われたウイグル人―亡命者が語る政治弾圧 (文春新書)
- 作者: 水谷尚子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2007/10
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チベットわが祖国―ダライ・ラマ自叙伝 (中公文庫BIBLIO20世紀)
- 作者: ダライラマ,H.H.The Dalai Lama,木村肥佐生
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2001/11
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他にも中国が抱える問題はどれも重大で目が回りそうになりますが、環境や貧困、表現の自由などにも闘いを挑みにいっている人たちはいます。
中国メディアの現場は何を伝えようとしているか: 女性キャスターの苦悩と挑戦
- 作者: 柴静,鈴木将久,河村昌子,杉村安幾子
- 出版社/メーカー: 平凡社
- 発売日: 2014/04/26
- メディア: 単行本
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この方はPM2,5の問題を告発する動画を流し論争を呼びました
中国の市民社会については以下のようなモノもあります。
また、中村大樹さんという方が中心となって中国の独立映画(検閲をうけていない映画)を日本で流す試みもされています。
中国の市民社会や反体制人士について扱った資料も沢山あります。ここではその一部を紹介しました。