北東アジアを考えよう!

北東アジア(日中韓台朝)をメインに、ユーラシアを包括的に捉えよう。 

「ゴジラ」に日中関係・日韓関係、大東亜戦争の文脈を入れることは可能か?

シン・ゴジラ』を見ました

 


『シン・ゴジラ』予告2

 

 『シン・ゴジラ』見ました。傑作です!54年のオリジナルゴジラを見事に現代に透写した作品であり、54年のゴジラに衝撃を受けたであろう当時の日本人は、こういう感覚でゴジラに対峙したんだなと思わせてくれます。

 この「ゴジラ」の存在を語る際にやはり原水爆」「日米関係」「戦争の記憶」といった知識は欠かせません。一番古いゴジラが公開された1954年」というタイミングは、ビキニ水爆・第五福竜丸朝鮮戦争警察予備隊、と、冷戦体制の構築が急速に進んでいったタイミングです。また、第二次世界大戦の記憶もまだ新鮮で、映画の中でも普通の人が、普通のトーンで「原爆から生き残ったのに放射能の怪物かい?嫌だね?」という事を言います。

 

ゴジラ

戦争の記憶の克服と新しい戦争が迫ってくる当時の日本人の不安を上手く表現している作品と言えます。

 

今作の「シン・ゴジラ」も日米関係・原水爆がキーワードになってきます。しかし、僕はゴジラ映画にはなんとか「日中戦争満州」といった東アジア情勢の文脈を投射して欲しいのです。

 

 

なぜ『ゴジラ』映画に日中戦争満州なのか?

 

 なぜ、『ゴジラ』に日中戦争満州なのか?それは、初代『ゴジラ』の主演、宝田 明さんのルーツに理由があります。宝田 明さんは当時日本の植民地であった朝鮮半島に生まれ、満州に移り住み、終戦の間際、ソ連の侵攻から命からがら逃れた経験の持ち主です。また、劇中で芹沢博士を演じた平田 昭彦さんも朝鮮半島出身です。それに特撮を担当した円谷英二も様々な戦意高揚のための映画に関わっています。もちろん、その中には日中戦争に関係するモノもあります。少々、本題とは逸れますが、満州で様々なプロパガンダに関わった人材が戦後の日本のメディア産業を支えました。

 こう思うと、『ゴジラ』には満州から命からがら引き上げた経験や記憶対峙じたソ連兵の恐怖異民族と共に過ごした経験ルーツの喪失といったテーマを含んでいてもよいのではないか?と思うのです。

 

 

因みに、ゴジラと中国を結びつけるこんな活動をしている方がいます。

 

pekin-media.jugem.jp

 

 

japanese.cri.cn

 

japanese.cri.cn

 

 

 

 

ゴジラ』と中国や朝鮮半島を結びつける

 最初に結論から言ってしまうと、私は『ゴジラ』を日中関係に結び付けて論じるのは可能であり、劇中でもそれを彷彿とさせるモノを入れる事も出来ると思います。例えば、ゴジラから避難するシーンに川崎の桜本などを映して外国人などを入れ、右往左往させたりする事で何とかそれを想像させる事をしてもいいと思います。

 

いつの日か、『ゴジラ』が中国・満州朝鮮半島に結びつく日を楽しみにしています。