点から線。そして面へ 中国ゴーストタウンの正体
中国経済の失速
中国経済が高度経済成長期を終えた事はすでに様々なメディアで言われています。それと同時に、中国のゴーストタウンの存在も報道されています。
中国国内でもゴーストタウンランキングが発表されたり、その関心度は中国国内でも高いです。
これらを見ていてある事に気づかないでしょうか。それは、このランクインしているゴーストタウンがある省が内モンゴルや新疆、黒竜江、海南省、雲南、寧夏といった中国の辺境地帯に偏っている傾向です。さらに、内陸の省に偏っている事も見れます。甘粛省や河南省、安徽省などは内陸省であると同時に中国の貧困地帯でもあります。これだけではまだ中国のゴーストタウンの正体は分かりません。ここに”ある”計画とその計画の地図を見ると、見えてくるものがあります。
経済ベルト建設計画
習近平体制は農村と都市の格差是正と小康社会(ゆとりある社会)を掲げています。それに伴う動きが様々な所に見て取れます。その目玉政策の一つが経済ベルト建設計画です。
http://www.hkcd.com/content_p/2015-06/04/content_23309.html
このように、中国国内ではさまざまな場所をつなぐ経済ベルト建設が実際に行われたりしています。都市を拡大させ農村を取り込み農村を都市として扱えるようにしたり、別々の都市を交通インフラで結んだりしながら、点の開発から面の開発へ移っています。もちろんここにも新シルクロードや汎アジア鉄道計画なども加わります。
さて、これらの経済ベルトや経済区の内容を細かく見ていきましょう。
http://blog.sina.com.cn/s/blog_51bfd7ca0101e92r.html
上の地図は中国が現在進めている各種経済ベルト計画です。この経済ベルトとゴーストタウンランキングの傾向をよく見ると、ゴーストタウンランキング50に入っている町や省がこれらの経済ベルト沿いに点在しているのが分かると思います。僕には中国のゴーストタウンというのは経済ベルト建設のための布石になっているのではないかと思えてなりません。
しかし、ゴーストタウンランキングにも入っていて、この中国国内の経済ベルト建設から漏れた地域もあります。しかし、忘れてはいけないのが、中国には新シルクロード計画や中国からパキスタンのグワダルに至る経済回廊計画や汎アジア大陸鉄道建設も行っています。
現地に住まわれている方で、ゴーストタウンが交通網の整備と人口の移動で復活した所を経験した方もいるようです。
以下は経済ベルト建設に関する台湾メディアの報道です。
新疆のホルゴス自由貿易区や雲南省から東南アジアに抜ける経済ルートについて。